MATLABで学ぶ振動工学 N自由度モデル(モード解析)3

前回の記事では100自由度モデルを直接法で解く方法と、モード法で解く方法について説明しました。今回はモード法で解くメリットについて解説します。

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https://mech-eng-uni.com/matlab%e3%81%a7%e5%ad%a6%e3%81%b6%e6%8c%af%e5%8b%95%e5%b7%a5%e5%ad%a6%e3%80%80n%e8%87%aa%e7%94%b1%e5%ba%a6%e3%83%a2%e3%83%87%e3%83%ab%ef%bc%88%e3%83%a2%e3%83%bc%e3%83%89%e8%a7%a3%e6%9e%90%ef%bc%892/

 

前回の記事では100個の振動モードおよび共振周波数を考慮して解析しました。

しかし、実用的には100個も考慮する必要がないことが多く、低次の共振周波数だけを考慮すればいいことがほとんどです。

解きたい問題にもよりますが、経験上は20次程度まで考慮できていれば十分かと思います。

 

では仮に、20次までの共振周波数を考慮しなければいけないとき、どうなるのか考えましょう。

 

直接法であれば、そのままM、K行列で解くので100×100の行列を使用します。

一方、モード法で用いる下記のモード質量行列Mr、モード剛性行列Krはどうなるでしょうか?

 

$$ [Mr] = (\phi)^{T}[M](\phi) $$

$$ [Kr] = (\phi)^{T}[K](\phi) $$

 

答えは、20×20です。

つまり、取り扱う共振周波数の次数(モード次数)で計算の負荷が変わるということです。

またモードベクトルの直交性から、モード質量行列とモード剛性行列は下記となります。

 

上記の式から、モード質量&剛性行列は対角項にしか成分を持ちません。

これは、互いのモードが非連成関係になったということです。つまり、モード1はモード2とは関係ない独立した成分ということです。

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モード解析の説明で「複雑に見える振動挙動は共振周波数の振動モードの重ね合わせで表現することができます」と言われますが、数学的に示したのが、上記のモード質量&剛性行列が対角項成分しか持たないということです。

 

 

 

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