FEMで学ぶ振動工学 科学雑誌Natureのメタマテリアル

はじめに

2020年に科学雑誌Natureに下記のメタマテリアルの論文が公開されました。

https://www.nature.com/articles/s41598-020-73299-3.pdf

 

Natureは最も権威のある科学雑誌のため、機械系のような化石の学問ではアクセプトされないと思っていたので、結構衝撃でした。

今回はNatureの論文に示されていたメタマテリアルの性能を検証してみたいと思います。

 

メタマテリアルの外観

論文に記載されていたメタマテリアルを3D CAD上で作成しました。なお、論文では計4種類のメタマテリアルが載っていましたが、一番よさげな1つだけで検証します。

解析モデル

私が金属3Dプリンタを使うときは「チタン」を良く使っているのですが、この検証では「SUS」として計算してみます。

 

論文のように、ユニットセルを3×3×3並べてメタマテリアルを構成します。解析モデルが下図です。

 

ここで解析モデルの説明をします。メタマテリアルの上下に質量0.1tonの質量要素を作成しました。そして、メタマテリアルの上面側の面(つら)と上面側の質量要素を剛体で結合しました。下面側も同様です。そして、上面側の質量要素を1Nで加振します。その時の下面側の質点の応答を確認してみます。この応答にバンドギャップが生じていれば、メタマテリアルとして機能していることや、防振ゴムの代替品になりうるかなどがざっくりわかります。

解析結果

解析結果を下図に示します。1000Hz~5500Hzの間にバンドギャップらしきものがありますね。実際の製品に使えるのかは、3Dプリンタで作ってみて、実証試験をしてみないとわかりませんが、これだけバンド幅は広いと結構いろいろなものでつかえそうですね。

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