今日は少し話題を変えて、FEM解析について述べたいと思います。
機械設計でよく使う材料として、アルミニウムとSUS(ステンレス鋼)があります。
アルミニウムにはA60材とか70材などの種類があり、SUSにも非常に多くの種類があります。
スポンサーリンク
アルミの構造物とSUSの構造物を用いて、FEMでFree-Free(自由拘束、拘束条件なし)で固有値解析をすると、両者の固有値(共振周波数)がほぼ一致します。
ここでは2000×1000×1mmの平板で固有値解析結果を示します。
なお、物性値は下記を使用しました。
表 物性値
ヤング率 | 密度 | ポアソン比 | |
ton/mm/s2 | ton/mm3 | ||
アルミニウム | 6.90E+04 | 2.71E-09 | 3.00E-01 |
SUS | 1.97E+05 | 7.70E-09 | 3.00E-01 |
スポンサーリンク
図 アルミの1次モード、SUSの1次モード
図 アルミの2次モード、SUSの2次モード
図 アルミの3次モード、SUSの3次モード
表 アルミニウムとSUSの固有値結果の比較
アルミニウム | SUS | 誤差 abs(AL-SUS)/AL |
|
1次共振 [Hz] | 1.3030 | 1.3061 | 0.24% |
2次共振 [Hz] | 1.6126 | 1.6165 | 0.24% |
3次共振 [Hz] | 3.5480 | 3.5563 | 0.23% |
アルミニウムとSUSの固有値結果がほぼ一致する原因は、ヤング率と密度の関係にあります。
(Free-Freeの拘束条件で)形状が同じ場合、下記の相関関係があります。
※「=」としていないのは、「固有角振動数=バネ定数/質量」と表せないためです。
$$
ω_n → \sqrt{ \frac{k}{m} } → \sqrt{ \frac{E}{ρ} }
$$
ここで、アルミニウムとSUSのヤング率/密度を求めると下表のようになります。
ヤング率/密度 | |
アルミニウム | 2.5461E+13 |
SUS | 2.5584E+13 |
上記結果から、Free-Freeの拘束条件でアルミニウムとSUSが同じ結果になることがわかります。
※拘束条件を変更すると、両者の結果は一致しなくなります。
スポンサーリンク
今回はこのへんでGood luck
コメント